院長コラム

歯列矯正を大人から始める際の7つのポイント|治療期間・費用・装置選びまで徹底解説

歯列矯正を大人から始める際の7つのポイント|治療期間・費用・装置選びまで徹底解説

大人になってから「歯並びを治したい」と考える方は、年々増えています。

仕事や人間関係で自信を持ちたい、健康のために噛み合わせを整えたい。動機はさまざまですが、いざ矯正治療を始めようとすると「今からでも間に合うのか」「費用はどれくらいかかるのか」「装置は目立たないのか」といった疑問や不安が浮かんできます。

成人矯正は、子どもの矯正とは異なる配慮が必要です。治療期間、費用、装置の選択肢、そして日常生活への影響。これらを正しく理解しておかないと、治療途中で後悔することもあります。

本記事では、大人になってから歯列矯正を始める際に押さえておくべき7つのポイントを、矯正専門医の視点から詳しく解説します。治療の流れ、装置の種類、費用相場、期間の目安まで、今日から始められる矯正相談のステップもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

【ポイント1】大人の矯正は「遅すぎる」ことはない

「もう大人だから矯正は無理では?」

そう思っている方も多いかもしれません。しかし、歯列矯正に年齢制限はありません。歯と歯を支える骨が健康であれば、何歳からでも治療は可能です。

実際、当院でも30代・40代から矯正を始める方は珍しくありません。むしろ、大人になってから治療を始めるメリットもあります。

まず、治療に対する理解と協力が得られやすい点です。子どもの場合、装置の管理や通院の継続が難しいこともありますが、大人は自己管理がしっかりできます。治療計画を理解し、指示を守りながら進められるため、結果的にスムーズに治療が進むケースが多いのです。

また、見た目の改善だけでなく、噛み合わせの改善によって全身の健康にも良い影響があります。正しい噛み合わせは、消化を助け、顎関節への負担を減らし、歯の寿命を延ばすことにつながります。

ただし、歯周病や虫歯が進行している場合は、まずそちらの治療が優先されます。矯正治療では歯に力をかけるため、炎症がある状態では悪化する可能性があるからです。

当院では、初診時に口腔内の状態を詳しく確認し、必要に応じて事前治療をご提案しています。健康な状態で矯正をスタートすることが、治療成功の第一歩です。

【ポイント2】治療期間は平均2年〜3年程度

大人の矯正治療にかかる期間は、症状や治療方法によって異なりますが、一般的には2年から3年程度です。

子どもの矯正と比べると、大人の場合は骨の成長が止まっているため、歯の移動に時間がかかる傾向があります。大人の場合、1か月に片側約0.2mm動くと仮定して治療期間を計算しています。

そのため、5mm動かすには約25か月かかる計算になります。

動きにくい方では1か月に0.1mm程度しか動かない場合もあるため、治療期間は25〜50か月と幅があります。しかし、適切な装置と治療計画を立てることで、効率的に治療を進めることが可能です。

治療期間を左右する要素はいくつかあります。まず、歯並びの状態です。軽度のガタつきやすきっ歯であれば、比較的短期間で改善できることもあります。一方、出っ歯や受け口、開咬といった複雑な症状では、より時間を要します。

次に、抜歯の有無です。当院では「できるだけ歯を抜かない治療」を基本方針としていますが、スペースが不足している場合や、噛み合わせの改善に必要な場合は抜歯を検討することもあります。

また、通院頻度も重要です。一般的には月に1回程度の調整が必要ですが、患者さんのライフスタイルや歯の動き方に合わせて、柔軟にアポイントを組むことで効率的に治療を進められます。

当院では、隔週で土曜日・日曜日も診療を行っているため、平日お忙しい方でも通院しやすい環境を整えています。

治療後は「保定期間」が必要です。これは、動かした歯が元の位置に戻らないよう、リテーナーと呼ばれる装置で固定する期間です。保定期間は通常2年程度で、最終の微調整を行いながら、歯並びの安定を確認していきます。

【ポイント3】費用相場は70万円〜150万円程度

歯列矯正は基本的に保険適用外の自由診療です。そのため、クリニックや治療方法によって費用が異なります。

一般的な成人矯正の費用相場は、70万円から150万円程度とされています。この金額には、初診相談、精密検査、診断料、装置代、調整料、保定料などが含まれます。

当院では、表側矯正(セラミックブラケット使用)が71万5,000円、マウスピース型矯正が82万5,000円となっています。これらは総額制(トータルフィー制)で、治療開始前に全体の費用が明確になるため、安心して治療を受けていただけます。

まず当院では、初診相談にご来院いただき、お口の状態を確認したうえで治療の必要性や方法についてご説明します(初診相談は無料です)。

次に精密検査を行い、治療計画を立てるために現在の歯並びのレントゲン撮影、口腔写真撮影、歯型採取を行います。

この検査費用は一般的に装置料とは別に5万円程度かかり、当院では52,800円〜となっています。

後日ご来院いただき、診断にて院長と治療計画を決定します。治療費の大部分は装置代と施術料が占めます。

調整料については、通院ごとに数千円かかるクリニックもあれば、総額に含まれているクリニックもあります。当院では、ご来院の都度3,300円をいただいております。

治療後には保定装置(リテーナー)が必要となり、矯正終了後も約2年間の通院が必要です。

保定装置料や保定観察料は治療費に含まれている医院が一般的ですが、別途費用がかかる場合もあります。

当院では、矯正治療費の中に保定料として含まれています。

支払い方法については、多くのクリニックで分割払いが可能です。当院では、ご要望と治療期間に合わせて無金利で院内2分割払いができます。クレジットカードやデンタルローンにも対応しているため、患者さんのライフスタイルに合わせた支払い方法を選択できます。

また、医療費控除の対象となる場合もあります。年間の医療費が10万円を超えた場合、確定申告で一部が還付される制度です。矯正治療は高額になることが多いため、この制度を活用することで実質的な負担を軽減できます。

ただし、美容目的と判断される場合は控除の対象外となることもあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

【ポイント4】装置の種類と特徴を理解する

矯正装置にはいくつかの種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。患者さんのライフスタイルや希望、歯並びの状態に合わせて最適な装置を選ぶことが重要です。

表側矯正(ワイヤー矯正)

最も一般的な矯正方法です。歯の表面にブラケットと呼ばれる小さな装置を装着し、ワイヤーを通して歯を動かします。

従来は金属製のブラケットが主流でしたが、現在は透明なセラミック製や白いワイヤーを使用することで、目立ちにくくすることが可能です。当院では、審美性に配慮したセラミックブラケットを基本のプランに設定しています。

表側矯正のメリットは、幅広い症例に対応できることです。複雑な歯並びや噛み合わせの問題にも対応でき、治療の確実性が高いのが特徴です。また、費用も比較的抑えられます。

デメリットは、装置が目立つことと、歯磨きがしにくくなることです。ただし、セラミックブラケットや白いワイヤーを使用すれば、見た目の問題はかなり軽減されます。

舌側矯正(裏側矯正)

歯の裏側にブラケットを装着する方法です。外から見えないため、審美性に優れています。

人前に出る機会が多い方や、仕事上の理由で装置を見せたくない方に適しています。ただし、舌に装置が当たるため、慣れるまで話しにくさを感じることがあります。また、費用も表側矯正より高額になる傾向があります。

マウスピース型矯正

透明なマウスピースを使用する矯正方法です。取り外しが可能で、食事や歯磨きの際に外せるため、日常生活への影響が少ないのが特徴です。

当院では、マウスピース型矯正を取り扱っています。1日20時間以上の装着が必要ですが、装置が目立たず、金属アレルギーの方にも安心してお使いいただけます。

マウスピース型矯正のメリットは、審美性と快適性です。透明なため周囲に気づかれにくく、取り外しができるため口腔衛生を保ちやすいのが利点です。

デメリットは、適用できる症例が限られることです。複雑な歯並びや大幅な移動が必要な場合には、ワイヤー矯正の方が適していることもあります。また、自己管理が重要で、装着時間を守らないと効果が出にくくなります。


オリジナルマウスピース型矯正

治療の経過に応じて矯正装置を変更し、前半治療と後半治療の2段階で進める、当院で行っている治療方法です。

従来のマウスピース型矯正には、「適応症例が限られる」という側面があります。マウスピース型矯正をご希望されるさまざまな症例の方に対応するため、本治療法を取り入れています。

前半治療では、当院オリジナルの裏側固定式装置と歯科矯正用アンカースクリューを使用します。

目立ちにくい装置を用いて口元を後方へ移動させて、従来はマウスピース単独では治療が難しいとされてきた重度の叢生(ガタガタ)や出っ歯を改善するためのスペースを確保を図ります。

後半治療では、前半で確保したスペースを活用し、透明なマウスピースを用いて歯並びを整えていきます。症例によっては、前半治療のみで矯正が完了する場合もあります。

その場合、初めからマウスピース型矯正を行う場合と比べて、費用を抑えられることがあります。

当院では、患者さんの症状とご希望をしっかりとお聞きし、最適な装置をご提案しています。それぞれの装置の特徴を理解した上で、納得のいく選択をしていただくことが大切です。

【ポイント5】「できるだけ歯を抜かない治療」という選択肢

矯正治療では、スペースを確保するために抜歯が必要になることがあります。しかし、当院では「できるだけ歯を抜かない治療」を基本方針としています。

なぜ非抜歯矯正にこだわるのか?

歯は一度抜いてしまうと、二度と元には戻りません。健康な歯を残すことは、将来的な口腔の健康にとって非常に重要です。

非抜歯矯正を実現するために、当院では歯科矯正用アンカースクリューを積極的に使用しています。これは、歯の土台の骨(歯槽骨)に小さなネジを埋め込み、それを固定源として歯を動かす方法です。

従来の矯正では、奥歯を固定源として前歯を動かしていましたが、歯科矯正用アンカースクリューを使用することで、より効率的に、かつ奥歯を動かさずに治療を進めることができます。

矯正歯科用アンカースクリューは非常に有用で、これまで難しいとされていた歯を縮める(圧下する)動きを可能にし、ガミースマイルの改善も可能となりました。

ただし、すべてのケースで非抜歯矯正が可能というわけではありません。骨格的な問題が大きい場合や、歯の大きさと顎の大きさのバランスが著しく悪い場合には、抜歯が必要になることもあります。

当院では、精密検査の結果をもとに、抜歯・非抜歯のメリットとデメリットを丁寧に説明し、患者さんと一緒に最適な治療方針を決定しています。

【ポイント6】日常ケアと悪習癖の改善が治療成功の鍵

矯正治療を成功させるためには、日常のケアが欠かせません。装置を装着している間は、通常よりも丁寧な歯磨きが必要です。

1日3回の基本の歯磨き

朝・昼・夜の1日3回、しっかりと歯を磨くことが基本です。装置装着中は、ブラケットやワイヤーの周辺に食べかすやプラークが溜まりやすくなります。

当院では、矯正用ブラシ、フロス、歯間ブラシの使い方を丁寧に指導しています。装置周りのプラーク除去を徹底することで、虫歯や歯周病を予防し、治療効果を高めることができます。

定期通院での口腔内清掃

矯正装置の調整と同時に、口腔内の清掃状態をチェックします。磨き残しがあれば、その場で補正指導を行い、患者さんの癖や歯磨き習慣に合わせた日常ケアをサポートします。

当院では、来院するたびに口腔内写真を撮影し、治療前との比較を行いながら進行を確認しています。これにより、治療計画どおりに歯が動いているかを客観的に評価し、より精密な治療につなげています。

悪習癖の改善

歯並びが悪くなる原因の一つに、日常の悪習癖があります。口呼吸、舌の位置、頬杖、爪噛みなど、無意識のうちに行っている癖が歯並びに影響を与えていることがあります。

当院では、MFT(口腔筋機能療法)を取り入れ、舌の位置や口呼吸の改善をサポートしています。生活習慣からアプローチすることで、治療後の後戻りを防ぎ、長く健康な歯並びを保つことができます。

矯正治療は、単に歯を動かすだけではありません。なぜ歯並びが悪くなったのかという根本原因を改善することで、将来的にお口の健康を長く保つことができるのです。

【ポイント7】信頼できる矯正専門医を選ぶ

矯正治療は長期間にわたるため、信頼できる歯科医院を選ぶことが非常に重要です。

日本歯科専門医機構認定の矯正専門医

当院は、日本歯科専門医機構認定の矯正歯科専門医が診療を行うクリニックです。矯正専門医は、5年以上の専門的な研修を受け、学会の試験に合格した医師です。豊富な知識と経験を持ち、確実な治療を提供できます。

設備の充実

矯正治療には、精密な診断が不可欠です。当院では、歯科用CTや口腔内スキャナーといった専門設備を活用し、患者さんの現在の歯並びを正確に把握・分析しています。

セファログラム(側面頭部X線規格写真)を用いることで、顎の骨の大きさや歯の傾斜角、口元全体のバランスを詳細に診断できます。これにより、より精密で安全な矯正治療を提供しています。

丁寧なカウンセリングと説明

治療を始める前に、現在の状態、治療方法、期間、費用について丁寧に説明します。患者さんが納得した上で治療を開始することが大切です。

アクセスと診療時間

長期間通院するため、通いやすさも重要なポイントです。当院は、京都府長岡京市に所在し、阪急「長岡天神駅」より徒歩1分です。

診療時間は、月・火・金が10:00〜13:00と14:40〜18:40、水・土が10:00〜13:00と14:00〜17:50、日曜日が09:00〜12:00と13:00〜16:50となっています。原則として第1~第3土曜日・日曜日にも診療を行っており、平日お忙しい方でも通院しやすい体制としています。

※診療日が変更となる場合がありますので、診療カレンダーをご確認ください。

よくある質問(Q&A)

Q1. 矯正治療中に痛みはありますか?

装置を装着した直後や調整後は、咬む際に違和感や痛みを感じることがあります。ただし、1週間ほどで慣れることがほとんどです。当院では、できるだけ痛みを軽減するよう、適切な力加減で調整を行っています。

Q2. 矯正治療中に食事制限はありますか?

硬いものや粘着性のある食べ物は、装置が外れる原因になるため避けた方が良いでしょう。ただし、マウスピース型矯正の場合は取り外しができるため、食事の制限はほとんどありません。

Q3. 矯正治療後に歯並びが戻ることはありますか?

治療後、保定装置(リテーナー)を使用しないと、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こることがあります。保定期間中はしっかりとリテーナーを装着し、定期的なチェックを受けることが大切です。

Q4. 矯正治療中に虫歯になったらどうなりますか?

虫歯ができた場合は、一時的に矯正治療を中断し、虫歯の治療を優先します。そのため、日頃から丁寧な歯磨きと定期的なクリーニングが重要です。当院では、矯正治療中も歯科衛生士による定期的な歯磨きチェックを行い、虫歯予防に努めています。

Q5. 矯正治療は医療費控除の対象になりますか?

噛み合わせの改善など、治療目的の矯正は医療費控除の対象となる場合があります。ただし、美容目的と判断される場合は対象外となることもあるため、事前に確認することをおすすめします。領収書は大切に保管しておきましょう。

まとめ:今日から始める矯正相談のステップ

大人になってから歯列矯正を始めることは、決して遅くありません。

治療期間は2年から3年程度、費用は70万円から150万円程度が目安です。装置の選択肢も豊富で、ライフスタイルに合わせた治療が可能です。

当院では、できるだけ歯を抜かない治療にこだわり、目立ちにくい装置を用いた審美矯正にも対応しています。日常の口腔衛生指導や悪習癖の改善を重視し、矯正治療と予防歯科の両面から患者さんをサポートしています。

矯正治療を成功させるためには、信頼できる矯正専門医を選び、日常のケアをしっかりと行うことが重要です。治療計画を理解し、指示を守りながら進めることで、理想の歯並びと健康な噛み合わせを手に入れることができます。

まずは初診相談から始めてみませんか?お口の状態を確認し、治療の必要性や方法について詳しくご説明します。不安や疑問があれば、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。

あなたの笑顔がもっと輝くよう、当院が全力でサポートいたします。

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【著者情報】

さわだ矯正歯科クリニック 院長
澤田 大介(さわだ だいすけ)

日本矯正歯科学会認定医・指導医、日本歯科専門医機構認定 矯正歯科専門医として、長年にわたり矯正歯科治療に従事。大学病院での臨床・教育経験を活かし、精度の高い矯正治療と患者様一人ひとりに適した治療計画の提供に努めています。舌側矯正をはじめとした専門性の高い治療にも対応し、国内外での指導・講師活動も行っています。

経歴
岡山大学歯学部 卒業
岡山大学歯学部 歯科矯正学講座 入局
岡山大学歯学部附属病院 外来医長
さわだ矯正歯科クリニック 開設
さわだ矯正歯科 桂クリニック/西院クリニック 開設
インディアナ大学歯学部矯正学科 JOP講師
岡山大学歯学部 元臨床准教授

資格・所属
日本矯正歯科学会 認定医・指導医
日本歯科専門医機構認定 矯正歯科専門医
ESLO(ヨーロッパ舌側矯正歯科学会)認定医
日本矯正歯科学会/近畿東海矯正歯科学会
日本臨床矯正歯科医会/京都矯正歯科医会
日本顎関節学会/日本顎変形症学会/日本口蓋裂学会
日本舌側矯正歯科学会/日本成人矯正歯科学会

さわだ矯正歯科クリニックの矯正費用(料金表)

費用・料金は長岡京・桂・西院で共通の価格になります